香りであなたを癒やします ー 王太子殿下、マッサージはいかがですか?
「え?なに、ネロ?アレンがいるのは知ってるからいいのよ」
ネロの頭を撫でて勢いよくドアを開けたら、目の前には信じられない光景がーー。
アレンにセシル様の義妹のエマ王女が抱きついていて……。
ふたりが私の方を見て驚いた顔をする。
「お邪魔しちゃってすみません!」
慌ててドアを閉めて、また走って自分の部屋に戻ると、そのままベッドに飛び込んだ。
見てはいけないものを見てしまった気がする。
あまりに衝撃的で、さっきの光景が頭から離れない。
心臓の鼓動が早くておかしくなりそうだった。
「あのふたりって恋人同士だったの?」
ベッドの上で悩ましげに私は呟いた。
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