香りであなたを癒やします ー 王太子殿下、マッサージはいかがですか?
襲うことがあるとすれば、何らかの理由がある時で、それは俺に差し向けられた刺客であることが多い。
部屋に入ろうとしたらドアが少し開いていて、不思議に思った。
咄嗟にまた刺客か?とも思ったが、横にいるネロは警戒していない。
そっと中に入ると、可愛い侵入者がいた。
「あ~、どこなの?」
クルミがしゃがみ込んでベッドの下を覗き込んでいる。
彼女が何を探しているのか見当はついていた。
多分、異世界のあのガラスと硬い金属で出来ている不思議な持ち物だろう。
実は昨日の夜クルミを自分のベッドに寝かせた時に、彼女の手にその不思議な機械が握られていた。
中には彼女が異世界で撮った写真が何枚もおさめられていて、目を見張った。
この世界で写真の技術が発明されたのは最近の話。
まだ、王族の間でしか使われていない。
ましてあんな小さい機械にアルバムのように何枚も写真がおさめられているなんて正直驚いた。
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