まさか私が………
「食べる準備しといたぞ。」
「ありがとうございます。じゃあ、かすみちゃん、すみれちゃん自分の席に座ろうか?」
「じゃあ、すみれはさゆちゃんのおとなりで食べる~!!」
「かすみも、さゆちゃんのおとなりで食べる~!!」
二人がそう言うと、翔馬先生が寂しそうな顔をして、不満そうに言った。
「お兄ちゃん寂しいなー。誰か、お兄ちゃんの隣で食べてくれる人はいないかな~?」
「あっはっはっは~」
すごく棒読みだったので、私は、思わず笑ってしまった。でも、二人はすごくあわてていた。そして、翔馬先生はすごく怒った表情で私を睨み付けた。
「じゃあ、かすみお兄ちゃんのおとなりで食べてあげる!」
「すみれも、お兄ちゃんと食べてあげる!」
結局、食べる席は翔馬先生が二人に挟まれてその向かいに私が座ることになった。ご飯を食べることになって、二人が目をを真ん丸にして喜んでくれた。
「「ねぇねぇ!!お兄ちゃん誰が今日のご飯作ったの?」」
「それはな~さゆりが作ってくれたんだ。」
そう言って、翔馬先生は爽やかな笑顔をこちらに向けて来て、私は何より初めて名前を呼ばれて顔を赤くしてしまった。
「「本当!?さゆちゃんすごいね。すごくおいしいよ!毎日さゆちゃんのご飯が食べたいな~」」
キラキラした目を二人がこちらに向けてきて、思わず首を縦に頷いた。すると、もちろん二人も喜んでいたが、一番喜んでいたのは翔馬先生だった。
「えっ、本当に良いのか?」
「いいですよ。だって、翔馬先生料理苦手なんでしょう?しかも、私はかすみちゃんとすみれちゃんが大好きですから。」
「じゃあ、これからお願いしてもいいか?」
「あまり自信がなくて、良いものが作れるか分かりませんけど、頑張ります!!」
しばらくしてテレビを見ていると、かすみちゃんが何か思い出したのか、大きな声で叫んだ。
「お兄ちゃん、今日は公園に行く約束でしょ!!だから公園に行こう!!」
「そうだったな。じゃあ公園に行こう。さゆりも、来るか?」
私は、元気良く答えた。
「行きます!!」
そして私達は公園に行った。