まさか私が………
~翔馬side~
~翔馬side~
なんか、良い匂いがするので、起きてキッチンのほうへ行ってみると、そこで、さゆりが料理をしていた。
その料理をしている後ろ姿を見て、すごく可愛らしくて、抱き締めたくなったが、それを俺はごまかすように声をかけた。
「おはよう!立花。」
俺がそう言うと、さゆりは振り返って可愛らしい声で、あいさつしてくれた。
さゆりが料理しているものをよくみると、うちにないものばかりだった。俺は、さゆりが気を使っていることが分かった。そして、さゆりが料理をしているのを見て、すごく料理上手だなと思った。
だかしかし、すごく美味しそうな料理を作ってくれているのに、さゆりは、謝ってばかりいるので、俺が思っていることを正直に伝えた。
「いや、逆にご飯を作ってくれてありがとう。俺さ、料理できないからすごく嬉しい。本当にありがとう。」
俺がそう言うと、さゆりの顔がどんどん赤くなっていってぼーっとしている。俺は昨日ゆっくり寝れてないんじゃないかと、心配になり声をかけた。
「立花お前、顔赤いけど大丈夫か?具合が悪いなら、無理すんなよ。」
すると、さゆりはさっきまで顔が真っ赤だったのに、すごく大きな声を出した。
「いや、大丈夫ですっ!!座って待っていてください。」
「ああ、分かった。何か分からないことがあったら、何でも聞けよ。」
俺はそれだけ言うと、リビングに行った。
そのままだとさゆりに何かしそうだったからだ。最近、さゆり見るたびにドキドキが止まらなくて、俺のことを先生と呼ぶたびに名前で呼んでほしいなんて、思ってしまう俺はかなり重症なのかもしれない。
今だってばたばたとしているさゆりを見て、可愛いなんて思ってしまっている。
そうこうしていると、さゆりは、かすみとすみれを起こしに行った。あの二人は兄の俺が言うのもなんだが、とても寝起きが悪い。俺は毎朝起こすのに、苦労している。
俺は、さゆりが二人を起こしに行っている間に、朝ごはんの準備をした。