まさか私が………
俺だったら、起こすのに15分ぐらいかかるのに、なんと、さゆりは、5分ぐらいで起こした。
そして、二人を抱えてリビングに入ってきた。それを見た瞬間、さゆりと二人の可愛さが合わさって、心臓が飛び出そうになった。俺は、それをごまかすように言った。
「食べる準備しといたぞ。」
すると、さゆりは笑顔でお礼を言った後、かすみとすみれをいつもの場所に座らせようとしたら……………
「すみれは、さゆちゃんのおとなりで食べる~!!」
「かすみも、さゆちゃんのおとなりで食べる~!!」
さゆりが、俺よりも二人にモテ始めた(?)ので、俺は、拗ねてかすみとすみれを困らせることにした。
「お兄ちゃん寂しいなー。誰か、お兄ちゃんの隣で食べてくれる人はいないかな~?」
俺がそういうと、いつも作り笑いか、無表情のさゆりが本物の笑顔で笑った。しかし、俺はかすみとすみれにわざと、困らせているのを、気づかれてはいけないと思い、さゆりに念を送った。そして二人を困らせることに成功した。
かすみとすみれは、俺を挟むように座り、さゆりは俺の向かい側に座った。
ご飯を食べ始めると、すごく美味しくて感動していたら、かすみとすみれも、すごく感動していた。
「「ねぇねぇ!!お兄ちゃん誰が今日のご飯作ったの?」」
「それはな~さゆりが作ってくれたんだ。」
俺がそういうと、さゆりが顔を真っ赤にして恥ずかしそうにした。
なぜだろうか?照れてしまったのだろうか?
俺が何かまずいことでも言ってしまったのだろうか?
いや、待てよ?俺、今なんて言った?俺は、もう一度かすみとすみれに言ったことを思い出した。
『それはな~さゆりが作ってくれたんだ。』
ああああっ!!そういえば、本人の前で名前を呼んだの初めてだった!!しかも、無意識に呼んでしまった!!
俺は、今にも叫びだしたい気持ちを必死に抑えて、一生懸命、冷静を装っていると……
「「本当!?さゆちゃんすごいね。すごく美味しいよ!毎日さゆちゃんのご飯食べたいな~」」
二人が、さゆりを見つめていて、さゆりが首を縦に振っているのを見た瞬間、俺は、こんなに美味しい料理が毎日食べられるのかと思うと、とても嬉しかった。心の中では、ガッツポーズをした。
「えっ、本当にいいのか?」
さゆりは、俺が料理するのが、苦手なのを知って、毎日作ってくれるとのことだった。
あまり、自信がなくて、良いものが作れるか不安だと言っていたが、俺は、本当にさゆりの手料理が、毎日食べられるかと思うと、とても嬉しかった。
しばらくして、俺が、仕事をしているとテレビを見ていたかすみが、大きな声で叫んでいた。
「お兄ちゃん、今日は公園に行く約束でしょ!!だから公園に行こう!!」
あっ!そうだった。今日公園に行く約束をしていたんだ。さゆりも、誘ってみるか。
「そうだったな。じゃあ公園に行くか。さゆりも行くか?」
「行きます。」
実際に、さゆりに公園に行くか誘うと、さゆりは嬉しそうに行くと、返事をしてくれたので、俺達は、公園に出発した。