まさか私が………


学校からの帰り道、公園に行くとやっぱりいつもいる女の子がいたので声をかけた。

「お~い、かすみちゃん、すみれちゃん。」

二人は双子で、二人とも同じ顔をしているよ。年齢は、3歳だよ。見分け方は、目元にほくろがあってかすみちゃんは、左側で、すみれちゃんは右側についているよ。かすみちゃんのほうがお姉ちゃんだよ。

仲良くなったきっかけは、1年前に公園でかすみちゃんがケガをして私が助けたのがきっかけだ。今では、本当のお姉ちゃんのように接してくれてる。

「「あっ! さゆちゃんだ~!!」」

天使のように可愛い二人が私のほうに走ってきて、抱きついてきた。

「二人とも、今日は、うさぎさんとくまさんのクッキーを作ってきたから食べよっか?」

「「うん!!食べたい!!」」

かすみちゃんとすみれちゃんは、笑顔で頷きながら答えてくれた。私は、二人をだっこしてからベンチに座った。二人はニコニコしながら、美味しそうに食べてくれた。しかし、半分ぐらい食べてから食べるのをやめたので、私は不思議に思い、質問した。

「ねぇねぇ、二人ともお腹いっぱいになった?」

そう聞くと、二人ともニコニコしながら、かすみちゃんが答えた。

「ううん。かすみね、さゆちゃんのクッキーがおいしいかったから、お兄ちゃんにあげるの。本当は全部食べたかったけど、お兄ちゃんのためにがまんするの!」

私はこれを聞いた瞬間、感動して涙が出そうになった。

「かすみちゃん、すみれちゃん我慢しなくていいよ。全部食べて!お姉ちゃんお腹いっぱいだから、これをあげて?」

すると、二人とも困った顔をしていた。

「「本当にいいの?」」

私は笑顔で答えた。

「いいよ。次からお兄ちゃんの分も作ってくるね。そうだ!いいこと思いついた!確か二人とも私のお隣のお家に住んでたよね?」

「「うん、そうだよ。」」

「じゃあ、かすみちゃん、すみれちゃん明日は私のお家で、お菓子作りをしよっか?」

二人は、嬉しそうにしていた。

「「本当?やった!!約束だよ。」」

「うん。じゃあお家に帰りましょう!」

「うん。かすみが、さゆちゃんと手をつなぐ!!」

「え~すみれが、さゆちゃんと手をつなぐの!!」

「え~私は二人と手をつなぎたいな?」

「しかたないな~すみれ、二人でいっしょにさゆちゃんと手をつなごう?」

「しかたないな~いいよ!」

「それじゃあ、お家に出発!」

「「お~!!」」

私達は、真っ赤な夕日に照されながら公園を出た。



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