まさか私が………


~1年前~

元々、俺達の父さんは世界的な大企業の社長で、母さんは、そんな父さんを支えるために付いていっていて、ほとんど家にいないので俺が親の代わりをしていた。

俺は仕事が忙しくて、二人にはいつも公園で待ってもらっていた。そしてその日、迎えに行くとかすみがケガをしていた。しかし、いつもなら泣いているのに今日は、泣いていなくて、ケガをしたところに絆創膏を貼っていた。

「かすみ。その絆創膏、自分で貼ったのか?」

俺が心配になってそう聞くと、かすみはニコニコしながら説明してくれた。

「あのね。かすみがケガしたんだけど、神さまみたいなお姉ちゃんがきて、かすみにおまじないをかけてくれて、お守りの絆創膏を貼ってくれたの。」

「そのお姉ちゃんの名前は、覚えてるか?」

そう聞くと今度は、すみれが答えてくれた。

「たちばなさゆりちゃんって言ってた。」

たちばなさゆり?俺の生徒かもしれないが、たぶん人違いだろう。そのときはそう思っていた。

半年くらい前、二人がさゆちゃんと一緒にいる時間を増やしたいからと言って迎えに来なくていいと言われた。元々、人見知りが激しい二人がすごく気に入っているさゆちゃんを見てみたくて、ある日公園にこっそり行くと……




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