ただ愛されたいだけなのに


 これではっきりした。わたしはもう、正紀のことをなんとも思ってない。恋人として好きなんていう感情が全く残っていない。

 わたしは正紀にメッセージをうった。わざわざうたなくてもよかったのかもしれない。だけどわたしは、これを前進と認識していいのかは分からないけれど、すっきりとする必要があった。正紀と付き合ってる——この状態が、わたしの精神をかき乱す原因でもあったから。


 夢 :久しぶり。前にケンカして、仲直りして
    それからたったの二日でわたしたちは、
    ケンカする前の二人にもどったよね。
    それがどういう意味なのかはお互いに
    もうわかってると思うけど……。
    今までありがとう。さよなら


 似たような文書を何回送ってきたんだろう。でも今回はちがう。本当に『終わり』。罵りの言葉をあげる気もさらさらない。
 お風呂から上がってベッドに入ったとき、正紀から返事がきた。以前のような、メッセージを開く怖さやドキドキ感がまるでない。


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