ただ愛されたいだけなのに


 わたしにも落ち度はあったけれど、今まで散々な仕打ちをしてきたくせに、まだ自分に惚れてると思ってるなんて……。


 夢 :わかった。本音を言うと、すごく辛い。
    片思いがこんなに辛いなんてね。
    だけどこんなに急激に好きになったのは
    初めて。最初は嫌でしょうがなかったの
    でもだんだん先生に会えることが毎日の
    楽しみになってきたんだ。だから正紀も
    わたしの邪魔をしないで先生への片思い
    を理解してくれるよね?
    わたしも正紀の邪魔はしないから。


 意地の悪いクスクス笑いをしながら、メッセージ送信を押した。
 正紀は今頃〝先生〟の文字を見てびっくり昇天してるだろう。

 その後、正紀からの返事はなかった。


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