足立古書堂 謎目録
「俺たち、同じクラスの人間なんですけど、相談したいことがあって」

「はあ」

足立はちらと文庫本から視線を上げた。

「どうぞ」

そして友人はかの出来事を語り出す。

足立は表情を変えずに最後まで聞き終えた。

「ふうん」

と言って、ぱちりと左目を閉じる。

固唾を飲んで見守る友人を、高木はどこか一線引いて見ていた。

わかるわけがない、と思う。
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