足立古書堂 謎目録
うわあ、と高木は頭を抱えたくなる。

これは聞きたくなかった。

というか公にしてはいけないことだった、彼女の言う通り。

「部室を去ろうにも、出入り口は一つ。窓からでもいいけど、ほら、ねえ。服が、ねえ」

「わかるわかった細かく言わんでいい」

しゅぱっと片手を上げて言葉を制す。

顔色一つ変えずそんなことを言えてしまう彼女はどうなんだ。

「はいはい。で、慌てた二人はロッカーの一つに身を隠した。もちろん、ロッカーの持ち主が扉を開けようとする。なかなか開かなかったのは、内側から扉を掴んでたから」
< 18 / 89 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop