足立古書堂 謎目録
「どうって言われてもなあ……」

高木翔平は渋い顔をしている。

向かいの席では、真剣な顔で身を乗り出しているクラスメイトがいる。

正直、よくわからない。

幽霊だ呪いだがあるとは思っていないので、なんらかの現実的な理由があるはずだ。

そうなると、目を見たという証言は間違っているということになってしまう。

相談を持ちかけてきた友人は、そんな答えは望んでいないだろう。

「見間違いじゃなかったのか?」

「見たっていうのはそいつだけだけど、本気で怯えてた。ロッカーの中には、目と見間違えるようなものはなかったぞ」
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