足立古書堂 謎目録
それにしても、と高木は眉をひそめる。

なんだか、その怖がりなサッカー部員が哀れでならない。

恐ろしい思いをして、みんなから自作自演だと疑われて。

「……これ、どうすればいいんだろう」

友人も困り顔である。

それはそうだろう、部長があの日部室でいかがわしいことをしてました、とは言えないし、言っても信じてもらえるかどうか。

そんなのは知らぬ、とばかりに足立は読書を再開している。
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