足立古書堂 謎目録
高木は少し考えてから口を開いた。

「その部員が休んでることを、部長は気にしてるんだろう? 多分、申し訳ないと思ってるからだよ」

「あ」

「部長に話してみたらどうだ、絶対に他言しないから、その部員にだけは真実を教えてくれって」

「……わかった。そうしてみる」

ちらりと足立を見ると、うっすらと微笑んでいた。

本が面白いのか、それとも。

友人は足立に頭を下げて、二人は古書堂を出た。
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