足立古書堂 謎目録
その美少年はといえば、ずっとにこにこしている。

聞いただけでも結構な目にあっているのに、こうも呑気でいられたら、友人としては心配だろう。

「こいつをストーキングしてる人物を、見つけてくれないか? 俺らも努力したんだが、いかんせん候補が多くて」

「……ふうん。いいよ。しばらく観察してみよう」

三日月はほっとした顔になった。

兎田も頭を下げる。

「ありがとう」

礼を言って二人は教室を出ていった。
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