足立古書堂 謎目録
なにかのトリック?

いやいや、そんなバカな。

たかが高校の部室にそんなもの仕掛けて、なんになる。

「なあ、どのくらいそれは開いてたんだ?」

「えっと……」

友人は立ち上がって、教室の隅の掃除用具入れに歩み寄った。

「このくらい」

と開けてみせた幅は三センチほど。

その隙間から中を覗いてみる。

ほとんど真っ暗でなにも見えない。

扉の近くにあるモップの柄が、薄明かりに照らされているくらいだった。
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