足立古書堂 謎目録
「これだけじゃないよね?」

「え?」

思わず声を上げたのは高木だった。

無視する形で足立は続ける。

「盗んだもの、どうした?」

「…………」

これは多分、話したくなくて黙っているのだろう。

足立の目の奥が鋭く光る。

「捨てたかな?」

「…………」

男子は一瞬眉根を寄せた。──図星だ。
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