足立古書堂 謎目録
そんな話をした翌日、土曜日である。

視界の端を、やけに眩しい猫が横切っていく。

友人に懇願された高木は、彼とともにこじんまりとした古書堂の前に佇んでいた。

全面ガラス張りで、その奥には所狭しと本棚が並んでいる。

おお、と高木は感動する。

本が好きなのである。

しかしすぐに首を捻った。

隣にいるこの男、部活終わりで汗臭いこいつは、本と睡眠薬を同じものだと思っている。

どういうことだ、と訊ねると、深刻な面持ちで語りだした。
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