足立古書堂 謎目録
「だめだねえ」

足立の笑みは酷薄だ。

「兎田くんに謝りな」

「……なんで俺が」

絞り出すような声は足立にピシャリと斬られる。

「反省の色なし、と。なるほどねえ。私のいうことが聞けないんだね」

足立は、自分と男子との間にデジカメを掲げてみせた。

「君が窃盗をしたってこと、彼女に教えちゃうよ」

「なっ……!」

血の気の退いた顔で男子は目を見開く。

「証拠写真つきでね。無様に言い逃れをしようとしたことも言わなくちゃねえ」
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