足立古書堂 謎目録
一度振られた彼女ってのが、彼の意中の女性ね、と足立は微笑む。

二人は自分たちの教室にたどり着いて、鞄を抱えて今度は階段を下りる。

「うまく食いついてくれたね。彼と兎田くん、通学路一緒みたい。彼の傘は、それで知ってたの」

「へえ……」

「ちなみに、傘の『Toda』ってのは、彫り物に見えるだけのシール」

「えっ」

「言い逃れできないように私が貼った」

ぴょん、と足立は数段階段を飛び下りた。
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