足立古書堂 謎目録

楽しそうなことで、と高木は呆れた目でそれを見る。

昇降口で、今度は靴を履き替え、傘を手に取り外に出る。

「ああ、降ってきた」

ぽつりと足立が言うので上を見ると、頬に雫が当たった。

鉛色の空から雨が落ちてくる。

「ふふ」

小雨だからか、足立は傘をささず、踊るように進んでいく。

やれやれ、と思いつつ、彼女の背中を眺めていた。