足立古書堂 謎目録
目録の三 炎の呪い
「まったく、梅雨は嫌だねえ」
カウンターで頬杖をつき、気だるそうに足立は言う。
「……おまえ、前に雨が好きとか言ってなかったか?」
半目で彼女を見るのは高木だ。
降り止まぬ雨音に包まれた、ここは足立古書堂である。
「雨はね。湿気は嫌いなの」
その言葉には頷ける。
休日、店番をしている彼女の父親が営むというこの古書堂には、幾百とも言える本が並んでいる。
湿気は本には大敵である。
カウンターで頬杖をつき、気だるそうに足立は言う。
「……おまえ、前に雨が好きとか言ってなかったか?」
半目で彼女を見るのは高木だ。
降り止まぬ雨音に包まれた、ここは足立古書堂である。
「雨はね。湿気は嫌いなの」
その言葉には頷ける。
休日、店番をしている彼女の父親が営むというこの古書堂には、幾百とも言える本が並んでいる。
湿気は本には大敵である。