足立古書堂 謎目録
「俺らのクラスに足立祐実って女子がいるのはわかるな?」

「……ああ……なんとなく」

高木たちは一年生、入学して一ヶ月経つか経たないかくらいである。

足立という女子は薄ぼんやりとしか覚えていない。

少なくとも派手な女子ではなかったはずだ。

「ここに来ると、彼女に会えるらしい」

友人の指さす先を見ると、落ち着いた色合いの扉の上に文字が並んでいた。

『足立古書堂』

なるほど、名字が同じである。
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