足立古書堂 謎目録
たまに小さくあくびをしながら、ぼんやりと焦点の合わない目をしている足立と向かい合い、高木がしているのは勉強である。

「勉強したいなら本屋じゃなく図書館に行ったらどう?」

とは足立に言われたのだが、追い出そうとはされなかったので居座っている。

梅雨が明けるか明けないか、そんな時期に期末テストが待っているというのに、こいつは余裕な態度だ。

「おまえ、勉強しなくて大丈夫なの?」

「君、勉強しなきゃ大丈夫じゃないの?」

小馬鹿にした物言いにぐぬぬと唇を噛む。
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