この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
同調するように頷いたルーカスに勢いづいたのか、くわっとティーナは薄氷色の目を見開いた。そこには氷でさえも溶かしてしまいそうな怒りが宿っている。
「それにアリサに第一王子を産ませているのよ?!」
「まあ、そりゃあ……一応王太子妃だからね」
ミシミシとティーナの手に握られた扇子が悲鳴を上げる。ルーカスはそんな彼女の様子を頬を掻きながら、「落ち着きなよ」と優しい声で宥めた。
「なんでアリサに第一王子を産ませているのよ?!側室でも何でも娶ればいいのだわ?!一応顔だけは良いし、王太子ともなれば入れ食い状態に決まってるわ!!なのになんで、側室の一人もいないのよ?!おかしいわ!!」
「僕も一応側室いないんだけど……」
少しだけ主張したルーカスだったが、ティーナの睨みに口を噤んだ。ティーナは頬を膨らませる。
「貴方は駄目よルーカス。わたくし浮気は許容出来なくてよ?」
「分かってるよ。心配しないで」
「それにアリサに第一王子を産ませているのよ?!」
「まあ、そりゃあ……一応王太子妃だからね」
ミシミシとティーナの手に握られた扇子が悲鳴を上げる。ルーカスはそんな彼女の様子を頬を掻きながら、「落ち着きなよ」と優しい声で宥めた。
「なんでアリサに第一王子を産ませているのよ?!側室でも何でも娶ればいいのだわ?!一応顔だけは良いし、王太子ともなれば入れ食い状態に決まってるわ!!なのになんで、側室の一人もいないのよ?!おかしいわ!!」
「僕も一応側室いないんだけど……」
少しだけ主張したルーカスだったが、ティーナの睨みに口を噤んだ。ティーナは頬を膨らませる。
「貴方は駄目よルーカス。わたくし浮気は許容出来なくてよ?」
「分かってるよ。心配しないで」