この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
もしかして、親バカ?
ベッドに誰かが入ってくる気配がした。
眠りが浅かったみたい。ぼんやりと瞼を上げる。
スタンドライトの優しいオレンジ色が、人影を映し出していた。
「……悪い。起こしたか?」
「……ぅ……ん?」
出した声は完全に寝ぼけていて、頭もボーッっと霞みがかったようにぼんやりしていた。もぞもぞとローデリヒさんが掛け布団を動かしている。
なんだかだいぶ端っこの方で横になったな……なんて、思ってると不意に彼がこちらの方を向く。
パチリ、とやっと目が段々覚めてきた。口元をゆるりと緩めるローデリヒさんが、私の隣に寝ている人へと手を伸ばす。
私の方に顔を向けて、すやすやと寝息をたてているのはアーベルくん。どうやら頭は私に近いのだけれど、布団の中の身体が斜めになっているらしく、ローデリヒさんの寝るスペースを占領しているみたい。
今日の夜は早くベッドの中に入ったのだけれど、アーベルくんがくっ付いてきたのだ。私が体調悪いのを知っていて、ずっと心配そうな顔をしていたんだよね。
眠りが浅かったみたい。ぼんやりと瞼を上げる。
スタンドライトの優しいオレンジ色が、人影を映し出していた。
「……悪い。起こしたか?」
「……ぅ……ん?」
出した声は完全に寝ぼけていて、頭もボーッっと霞みがかったようにぼんやりしていた。もぞもぞとローデリヒさんが掛け布団を動かしている。
なんだかだいぶ端っこの方で横になったな……なんて、思ってると不意に彼がこちらの方を向く。
パチリ、とやっと目が段々覚めてきた。口元をゆるりと緩めるローデリヒさんが、私の隣に寝ている人へと手を伸ばす。
私の方に顔を向けて、すやすやと寝息をたてているのはアーベルくん。どうやら頭は私に近いのだけれど、布団の中の身体が斜めになっているらしく、ローデリヒさんの寝るスペースを占領しているみたい。
今日の夜は早くベッドの中に入ったのだけれど、アーベルくんがくっ付いてきたのだ。私が体調悪いのを知っていて、ずっと心配そうな顔をしていたんだよね。