この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
アリサもティーナも公爵家の令嬢だ。魔法があまり扱えなかったとしても、ぞんざいに扱われることはない。
ただ今振り返ると、魔法の適正次第でルーカスの婚約者がどちらかになるかという、判断基準の一つにはされていたのだろうと、ティーナは推察する。
幼い頃こそ無邪気に遊んでいたけれど、特別国外からの政略結婚がなければ、アリサとティーナのどちらかを婚約者に、という事は早い段階から大人達は思っていたのだろう。きっとルーカスとの相性も確認されていたに違いない。
そんな事とは露知らず、幼いティーナは今日も二人と遊べる事を楽しみに、王城へとやってきたのであった。
「あ!ティーナ!おはよ!!」
艶やかなブロンドのボブ。やや猫目気味のピンク色の瞳を持つ少女――アリサがティーナに気付き、元気よく片手を挙げる。もう既に登城していたらしい。
ティーナの妖精のような顔かんばせがパッと嬉しそうに華やいだ。アリサはタタタッと軽い足音を立てて駆け寄る。
「おはようアリサ!今日もいいお天気だわ」
「うんうん!今日も絶好の運動日和だよね!」
アリサがティーナの小さい手をとる。ティーナを導くように進んだ先には、やや苦笑気味の少年がいた。
ただ今振り返ると、魔法の適正次第でルーカスの婚約者がどちらかになるかという、判断基準の一つにはされていたのだろうと、ティーナは推察する。
幼い頃こそ無邪気に遊んでいたけれど、特別国外からの政略結婚がなければ、アリサとティーナのどちらかを婚約者に、という事は早い段階から大人達は思っていたのだろう。きっとルーカスとの相性も確認されていたに違いない。
そんな事とは露知らず、幼いティーナは今日も二人と遊べる事を楽しみに、王城へとやってきたのであった。
「あ!ティーナ!おはよ!!」
艶やかなブロンドのボブ。やや猫目気味のピンク色の瞳を持つ少女――アリサがティーナに気付き、元気よく片手を挙げる。もう既に登城していたらしい。
ティーナの妖精のような顔かんばせがパッと嬉しそうに華やいだ。アリサはタタタッと軽い足音を立てて駆け寄る。
「おはようアリサ!今日もいいお天気だわ」
「うんうん!今日も絶好の運動日和だよね!」
アリサがティーナの小さい手をとる。ティーナを導くように進んだ先には、やや苦笑気味の少年がいた。