この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
「本当に……いいんだな?今ならまだパーティーに出なくても済む」


 最後の念押しだろう。
 私も気を引き締める。ここで引き下がる訳にはいかない。


「大丈夫です。出ます。……ですけど、パーティーって出た覚えがないので、どうしたらいいか……」


 とても今更な疑問だった。
 だって、完全にアリサ・セシリア・キルシュライトじゃなくて、達川有紗がパーティーに出たことないって事を忘れてた。
 完全にあのローブの女の子と会うことしか考えてなかったんだよね……。


「分かった。パーティーについては大丈夫だ。元々あまり長居させるつもりはない。貴女の能力の事もある。私の後ろに付いていろ。フォローは必ず入れる」


 重々しく頷いたローデリヒさんに胸を撫で下ろす。
 全く分からないし、ローブの女の子以外は彼に任せちゃおう。


「パーティー会場の警備は厳重にしている。貴女も私から離れないように。知らない者について行かないように」
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