この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
 私は子供か!!
 まだ確かに未成年なんだけど。
 私の親みたいに忠告してくるローデリヒさんに内心突っ込みながら、大人しく頷いた。


「護衛も付ける。入ってこい。ヴァーレリー」


 部屋の外に向かって声を掛ける。ノック音の後に姿を見せたのは、私のよく知る人だった。


「失礼します」


 ローデリヒさんと一緒に付いてきたのかもしれない。ヴァーレリーちゃんが淡い水色のドレスを着て、この部屋に入ってくる。

 いや、ちょっと待って。待って。
 頭が全く追いつかない。


「ヴァーレリーちゃんって、女の子?!男の子?!どっち?!」
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