この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
国王様達が階段を降りてその場で立ち止まる。そこで誰かの訪れを告げる声と共に、パーティーホールの中央が真ん中で割れた。
つい最近の記憶に残る声が耳元で聞こえてくる。
――やっと、やっとだわ。出席してくれてありがとう。アリサ。
ローブの少女の声。
その声の主はすぐに分かった。ホールの入口から入ってきた一組の男女。その片方の銀髪の少女だ。
私達と同世代くらいの二人は、明らかに特別扱い。
二人がアルヴォネンの王太子夫妻だとは、空気で分かった。
という事はローブの少女って、アルヴォネンの王太子妃だってこと……?
少女の隣の黒髪の男性と一瞬視線が交わる。彼は紫色の瞳を細めた。私の姿を捉えるなり、口元に緩い微笑みが浮かぶ。
――久しぶり、アリサ。助けに来たよ。
正義感と親愛と義務感と、滲む達成感。以前にお屋敷の中でも聞いた事があった声。ひたすら私の為を考えてくれているかのような、思いやりに満ちた気持ちが伝わってくる。
つい最近の記憶に残る声が耳元で聞こえてくる。
――やっと、やっとだわ。出席してくれてありがとう。アリサ。
ローブの少女の声。
その声の主はすぐに分かった。ホールの入口から入ってきた一組の男女。その片方の銀髪の少女だ。
私達と同世代くらいの二人は、明らかに特別扱い。
二人がアルヴォネンの王太子夫妻だとは、空気で分かった。
という事はローブの少女って、アルヴォネンの王太子妃だってこと……?
少女の隣の黒髪の男性と一瞬視線が交わる。彼は紫色の瞳を細めた。私の姿を捉えるなり、口元に緩い微笑みが浮かぶ。
――久しぶり、アリサ。助けに来たよ。
正義感と親愛と義務感と、滲む達成感。以前にお屋敷の中でも聞いた事があった声。ひたすら私の為を考えてくれているかのような、思いやりに満ちた気持ちが伝わってくる。