この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
ルーカスとの婚約は嫌だったので、突っぱねたかったが、国王命令なので直接文句は言えない。誰が好き好んで、会う度に淑女が何たるかを説いてくる姑みたいな男を夫にしたいと思うのか。
本気で母親が二人になったと頭を抱えた事だってある。
ルーカスも私との婚約については不満そうだった。
第一、ティーナにはベタ褒めするルーカスの心情なんて幼馴染みの私からすればバレバレ……。なんで肝心のティーナが気付かなかったのかが不思議な位だ。
さり気なく、ルーカスとの婚約を無かった事にしてもらおうとルーカスと共に働き掛けていたのだが、ここで私の無駄な能力が発揮してしまう事になる。
トピアス・サロライネンの件で軽い人間不信に陥ってしまったおじ様は、人の激情が読み取れる私をしきりに傍に置きたがった。それは謁見の間では勿論、普段の執務室にも。
謁見の間で挨拶してくる貴族に対して、国王をどの様に思っているのか、叛意はないか等をしきりに聞いてきた。執務室には大体おじ様と親しい人間や、仕事を共にする重要な人間が集まってくる。謁見の間よりも、むしろその人達の激情を一々聞きたがった。
本気で母親が二人になったと頭を抱えた事だってある。
ルーカスも私との婚約については不満そうだった。
第一、ティーナにはベタ褒めするルーカスの心情なんて幼馴染みの私からすればバレバレ……。なんで肝心のティーナが気付かなかったのかが不思議な位だ。
さり気なく、ルーカスとの婚約を無かった事にしてもらおうとルーカスと共に働き掛けていたのだが、ここで私の無駄な能力が発揮してしまう事になる。
トピアス・サロライネンの件で軽い人間不信に陥ってしまったおじ様は、人の激情が読み取れる私をしきりに傍に置きたがった。それは謁見の間では勿論、普段の執務室にも。
謁見の間で挨拶してくる貴族に対して、国王をどの様に思っているのか、叛意はないか等をしきりに聞いてきた。執務室には大体おじ様と親しい人間や、仕事を共にする重要な人間が集まってくる。謁見の間よりも、むしろその人達の激情を一々聞きたがった。