この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
始まりの雨?
霧のような小雨の降る日だった。
おじ様が北の方の王家直轄地の視察に出掛けた日。例外なく私も連れ回される事になっていて、特に疑問も持たずに私は用意された馬車へと乗り込んだ。
相席するのは、公爵家からずっと付き従ってくれている侍女二人。残りの侍女は別の馬車。おじ様は国王専用の馬車に、私のお墨付きの信頼出来る侍従と文官と共に乗っていた。
他愛もないお喋りを侍女達と共に続けていたけれど、途中で馬車が止まって、馬に乗る騎士が外から声を掛けてくる。
「アリサ様。そろそろ雨が本降りになりそうなので、今日は近くの宿で一泊すると、陛下からのご命令です」
「分かった。ありがとう」
本来ならばそこそこ大きな街で一泊する予定だったけれど、その手前の小さな街で一行は足を止める事になった。
国王陛下を護衛する事だけあり、馬車の周りはかなりの数の護衛騎士達が囲んでいる。
小さな街は国王陛下の一行で随分と賑やかになっているようだ。実際外に出なくても、私の耳にはしっかり届いていた。
おじ様が北の方の王家直轄地の視察に出掛けた日。例外なく私も連れ回される事になっていて、特に疑問も持たずに私は用意された馬車へと乗り込んだ。
相席するのは、公爵家からずっと付き従ってくれている侍女二人。残りの侍女は別の馬車。おじ様は国王専用の馬車に、私のお墨付きの信頼出来る侍従と文官と共に乗っていた。
他愛もないお喋りを侍女達と共に続けていたけれど、途中で馬車が止まって、馬に乗る騎士が外から声を掛けてくる。
「アリサ様。そろそろ雨が本降りになりそうなので、今日は近くの宿で一泊すると、陛下からのご命令です」
「分かった。ありがとう」
本来ならばそこそこ大きな街で一泊する予定だったけれど、その手前の小さな街で一行は足を止める事になった。
国王陛下を護衛する事だけあり、馬車の周りはかなりの数の護衛騎士達が囲んでいる。
小さな街は国王陛下の一行で随分と賑やかになっているようだ。実際外に出なくても、私の耳にはしっかり届いていた。