この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
それからはもう、完全に仮面夫婦と言ってもいい程の冷め具合だった。
夫となった人には正直に私の能力について話してもいたが、二人共寝をするだけで、私の能力を使う機会すらなかった。
王太子妃の公務もほぼ無かったので、手持ち無沙汰になったくらいだった。
初夜はあんな有り様だし、結婚からある程度時間が経てば夫は側室を迎え入れて、そちらの方で共寝をするのだろう、と勝手に解釈していた。
アーベルを身ごもったと知るまでは。
正直、夫はかなり驚いていたが、素直に喜んでくれた。
それから少し経って、王城の敷地内に邸を建てたという報告をされて、すぐにそちらの方へと移った。
どうやら前々から作ってはいたらしい。私の能力が発動しないように結界と塀付きで。
新しい邸は小さくて住みやすかった。侍女は勿論、騎士すら女の人。それも人があまり多くない。
思っていたよりずっと、息のしやすい場所だった。
夫となった人には正直に私の能力について話してもいたが、二人共寝をするだけで、私の能力を使う機会すらなかった。
王太子妃の公務もほぼ無かったので、手持ち無沙汰になったくらいだった。
初夜はあんな有り様だし、結婚からある程度時間が経てば夫は側室を迎え入れて、そちらの方で共寝をするのだろう、と勝手に解釈していた。
アーベルを身ごもったと知るまでは。
正直、夫はかなり驚いていたが、素直に喜んでくれた。
それから少し経って、王城の敷地内に邸を建てたという報告をされて、すぐにそちらの方へと移った。
どうやら前々から作ってはいたらしい。私の能力が発動しないように結界と塀付きで。
新しい邸は小さくて住みやすかった。侍女は勿論、騎士すら女の人。それも人があまり多くない。
思っていたよりずっと、息のしやすい場所だった。