この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
やっぱり小さくてもアーベルは一国の王子。周囲の固められ方がすごい。すごいけど、可愛がってくれそうな人選をしている所が、ちゃんとローデリヒ様がアーベルの事を考えてくれているのをひしひしと感じる。
ルーカスとティーナの事もそうだったけど、ジギスムント達の事だってそうだ。
ちょっと後ろめたさを感じながら、頬をかく。
「私達、やっぱり会話が足りませんね」
二年も夫婦をしているのに、知らない事が多い気がする。ローデリヒ様も同じ事を思ったようで、気まずそうに眉間に皺を寄せた。
「ああ。そうだな。……これからは会話を増やそうか。些細な事でいい、少しずつお互いの事を知っていきたい」
「はい。……あと、もう一つ、いいですか?」
人差し指を立てて伺う。ローデリヒ様が「なんだ?」と先を促した。
「私、男の人にいきなり触られると反射的に攻撃してしまうじゃないですか。それを治したいです」
「いいのか?今回の襲撃で貴女が隙を作らなければ、危ない所だったんだぞ?」
正直、襲撃犯に私は何をしたのか覚えてない。身体が勝手に動いたんだよね……。
ルーカスとティーナの事もそうだったけど、ジギスムント達の事だってそうだ。
ちょっと後ろめたさを感じながら、頬をかく。
「私達、やっぱり会話が足りませんね」
二年も夫婦をしているのに、知らない事が多い気がする。ローデリヒ様も同じ事を思ったようで、気まずそうに眉間に皺を寄せた。
「ああ。そうだな。……これからは会話を増やそうか。些細な事でいい、少しずつお互いの事を知っていきたい」
「はい。……あと、もう一つ、いいですか?」
人差し指を立てて伺う。ローデリヒ様が「なんだ?」と先を促した。
「私、男の人にいきなり触られると反射的に攻撃してしまうじゃないですか。それを治したいです」
「いいのか?今回の襲撃で貴女が隙を作らなければ、危ない所だったんだぞ?」
正直、襲撃犯に私は何をしたのか覚えてない。身体が勝手に動いたんだよね……。