この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
ルーカスは天井を仰いだ。正確には、キルシュライト王城の上階。王太子達がいる方向だ。
「どうするの?アリサはこのままだとずっと結界内だわ」
「アリサが自分から出てくれればいいのだけれど……」
「難しいわ……。アリサはキルシュライトの王太子に満足に外に出してもらえていないのかしら……」
「あの邸の塀を見るとその可能性はとても高いね」
あの白亜の塀は何人たりとも入れないと同時に、何人たりとも外に出さないような造りだった。
「明日は絶対会えるのだし、明日までに幾つか案を考えておこう」
「ええ。わたくし達の計画を一度邪魔をしたからって良い気にならないで欲しいわ。……どこの誰だか分からないけれど」
「捉えた襲撃者はキルシュライト側に引き渡してしまったから、直接聞くことは出来ないからね」
艶やかな黒髪を乱暴に崩して、ルーカスは小さくポツリと呟きを落とした。
まあ、誰だか少しだけ予測は出来るけど、――と。
「どうするの?アリサはこのままだとずっと結界内だわ」
「アリサが自分から出てくれればいいのだけれど……」
「難しいわ……。アリサはキルシュライトの王太子に満足に外に出してもらえていないのかしら……」
「あの邸の塀を見るとその可能性はとても高いね」
あの白亜の塀は何人たりとも入れないと同時に、何人たりとも外に出さないような造りだった。
「明日は絶対会えるのだし、明日までに幾つか案を考えておこう」
「ええ。わたくし達の計画を一度邪魔をしたからって良い気にならないで欲しいわ。……どこの誰だか分からないけれど」
「捉えた襲撃者はキルシュライト側に引き渡してしまったから、直接聞くことは出来ないからね」
艶やかな黒髪を乱暴に崩して、ルーカスは小さくポツリと呟きを落とした。
まあ、誰だか少しだけ予測は出来るけど、――と。