この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
そういえばローデリヒ様の口から家族の話なんて聞いたことがなかったし、聞こうと思ったことすらなかった。
どれだけローデリヒ様に興味がなかったんだろ……、そして、どれだけローデリヒ様と話していなかったんだろう、と内心頭を抱えた。
確かに男の人に対しての恐怖を拭えないという事も、修道院行きを潰されて頑なになっていた事もある。お互いに夫婦仲を改善しようともしなかった。
仕方が分からなかった。
腫れ物に触るような扱いをされていたのは感じていたんだ。
アーベルが生まれて、ローデリヒ様の子煩悩な一面を見て、子供の為にもこのままでは駄目なんじゃないかと思っていた。だから、ローデリヒ様とお互いに一歩ずつでも歩み寄りが出来そうなのは大きな進歩。
進歩……なんだけど。
その過程で出てきたかなり重要な事に内心頭を抱えてしまう。
記憶を失っている時は、ゼルマさん呼びだったんだけど、私基本的に侍女は呼び捨てだったから、ゼルマって呼んでたんだよね……!!
どれだけローデリヒ様に興味がなかったんだろ……、そして、どれだけローデリヒ様と話していなかったんだろう、と内心頭を抱えた。
確かに男の人に対しての恐怖を拭えないという事も、修道院行きを潰されて頑なになっていた事もある。お互いに夫婦仲を改善しようともしなかった。
仕方が分からなかった。
腫れ物に触るような扱いをされていたのは感じていたんだ。
アーベルが生まれて、ローデリヒ様の子煩悩な一面を見て、子供の為にもこのままでは駄目なんじゃないかと思っていた。だから、ローデリヒ様とお互いに一歩ずつでも歩み寄りが出来そうなのは大きな進歩。
進歩……なんだけど。
その過程で出てきたかなり重要な事に内心頭を抱えてしまう。
記憶を失っている時は、ゼルマさん呼びだったんだけど、私基本的に侍女は呼び捨てだったから、ゼルマって呼んでたんだよね……!!