この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
ローデリヒ様もゼルマと呼んでいたから、咎められることはないのだろうけど……一応夫の実の祖母なのだし、やっぱり呼び捨てしてはいけない気がする。嫁いできた辺りで教えて欲しかった。本当にごめんなさいゼルマさん。
さり気なく記憶喪失続行時のままの呼び方にしよ……。
ちなみにイーナ様は国王様の元側室だし、現子爵夫人だから様付けで呼んでいる。アーベルの乳母であって、侍女ではないしね。
内心謝り倒しながら、ゼルマさんとイーナ様を連れてローデリヒ様と一緒に客間に向かう。アーベルはローデリヒ様に抱き抱えられたまま。
何やらローデリヒ様の耳飾りが気になるようで、彼の耳を弄っているようだった。でも、ローデリヒ様はかなりくすぐったかったらしく、肩を竦めている。
あれ、もしかしてローデリヒ様って耳が弱……。
「着いたぞ。結界はいいのか?」
「あ、はい。外します」
結界のペンダントを外し、ゼルマさんに預ける。久しぶりの友人達とのまともな再会に胸を弾ませながら、ローデリヒ様が扉をノックするのを見ていた。
さり気なく記憶喪失続行時のままの呼び方にしよ……。
ちなみにイーナ様は国王様の元側室だし、現子爵夫人だから様付けで呼んでいる。アーベルの乳母であって、侍女ではないしね。
内心謝り倒しながら、ゼルマさんとイーナ様を連れてローデリヒ様と一緒に客間に向かう。アーベルはローデリヒ様に抱き抱えられたまま。
何やらローデリヒ様の耳飾りが気になるようで、彼の耳を弄っているようだった。でも、ローデリヒ様はかなりくすぐったかったらしく、肩を竦めている。
あれ、もしかしてローデリヒ様って耳が弱……。
「着いたぞ。結界はいいのか?」
「あ、はい。外します」
結界のペンダントを外し、ゼルマさんに預ける。久しぶりの友人達とのまともな再会に胸を弾ませながら、ローデリヒ様が扉をノックするのを見ていた。