この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
「本当にごめんっ!!」


 お昼から早々にお風呂に入って、昼食後にまた二人とは会った。ティーナもお風呂に入ったようで、ドレスも髪型も変わっていた。香水も付けていないみたい。

 ちなみにドレスはクローゼットの肥やしになりつつありそうだった新品。私の為に作られたみたいだったけど、ドレスがありすぎてクローゼットが一杯で着る機会がなかったのだ。

 流行問わずに着れるデザインの物をあげたんだけど、似合っててよかった。侍女達がいい仕事をしてくれた。

 両手を合わせてティーナの様子を怖々と伺う。彼女は怒りよりも困惑の方が先に来ているようだった。


「確かに……びっくりしたけれど……、アリサは動いてていいの?相当身体悪いのではなくて?」


 可愛らしく首を傾げたティーナに私はどう説明したものか、と内心頭を抱えた。

 一応病気ではない。病気ではないけれど、体調は悪阻であまり良くはない。

 ――もう話していいのではないか?

 隣に座っていたローデリヒ様の気持ちが伝わってくる。思わず彼を見上げると、海色の瞳が穏やかに私を見つめていた。
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