この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
ルーカスが私とローデリヒ様を数度見比べて、深々と息を吐いた。前のめりになっていた体勢を戻して、ソファーに深く腰掛ける。その様子はずっと気がかりだった事が解消されたような、心の底から安堵したような雰囲気だった。
「アリサは、ここで幸せを見つけたんだね」
「幸せ……」
ゆっくりと飲み込むようにその言葉を口にする。
アルヴォネン王国で何もかも諦めきっていた時とは違う。
キルシュライト王国で歩み寄りさえせずに仮面夫婦に徹していた時とは違う。
可愛いアーベルが産まれて、夫であるローデリヒ様の人柄を知って、お互いが距離を縮めていこうと前を向くことが出来た。二人目の子供もお腹の中にいる。
本当に私は、恵まれている。
「ええ。私、幸せだわ」
自然と頬が緩む。
ローデリヒ様が求婚してくれなければ、今はなかった。彼は私の進む道を照らしてくれる道標だった。
「そう……。アリサは今幸せなのね……」
ティーナはほんの少しだけ寂しそうに微笑んだ。
「アリサは、ここで幸せを見つけたんだね」
「幸せ……」
ゆっくりと飲み込むようにその言葉を口にする。
アルヴォネン王国で何もかも諦めきっていた時とは違う。
キルシュライト王国で歩み寄りさえせずに仮面夫婦に徹していた時とは違う。
可愛いアーベルが産まれて、夫であるローデリヒ様の人柄を知って、お互いが距離を縮めていこうと前を向くことが出来た。二人目の子供もお腹の中にいる。
本当に私は、恵まれている。
「ええ。私、幸せだわ」
自然と頬が緩む。
ローデリヒ様が求婚してくれなければ、今はなかった。彼は私の進む道を照らしてくれる道標だった。
「そう……。アリサは今幸せなのね……」
ティーナはほんの少しだけ寂しそうに微笑んだ。