この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
妊婦妻になりまして。
ルーカスが国王……?
いやいや、そんなイメージ湧かないんだけど。姑みたいだし。ティーナに至っては隣国に殴り込みに来てるし。十中八九、ルーカスも共犯だろう。
完全に重大な国際問題に発展しそうな事をしでかしてる人が国王……?不安でしかない。どうなるんだ祖国。
私の反応にルーカスは肩を竦めて苦笑いをした。
「酷いな。……まあ、アリサの言葉は分かるよ。成人しているとはいえ、まだまだ青二才。アルヴォネンの歴代国王の中でもだいぶ若い方になる」
私より一つ歳上なだけの彼は、アメジスト色の瞳を瞬かせた。少し不安そうに。
でも次の瞬間にはその様子は掻き消える。見間違いだったんじゃないか、ってくらいに。
「でも、まだまだ若かろうと、未熟だろうと、僕が次からはアルヴォネンを引っ張って行くよ」
ルーカスは目を細めて穏やかに微笑む。彼の隣に座るティーナの薄氷色の瞳にも覚悟が宿っていた。
アルヴォネンとは無関係ではないけれど、キルシュライトに嫁いだ私に手伝える事はない。
いやいや、そんなイメージ湧かないんだけど。姑みたいだし。ティーナに至っては隣国に殴り込みに来てるし。十中八九、ルーカスも共犯だろう。
完全に重大な国際問題に発展しそうな事をしでかしてる人が国王……?不安でしかない。どうなるんだ祖国。
私の反応にルーカスは肩を竦めて苦笑いをした。
「酷いな。……まあ、アリサの言葉は分かるよ。成人しているとはいえ、まだまだ青二才。アルヴォネンの歴代国王の中でもだいぶ若い方になる」
私より一つ歳上なだけの彼は、アメジスト色の瞳を瞬かせた。少し不安そうに。
でも次の瞬間にはその様子は掻き消える。見間違いだったんじゃないか、ってくらいに。
「でも、まだまだ若かろうと、未熟だろうと、僕が次からはアルヴォネンを引っ張って行くよ」
ルーカスは目を細めて穏やかに微笑む。彼の隣に座るティーナの薄氷色の瞳にも覚悟が宿っていた。
アルヴォネンとは無関係ではないけれど、キルシュライトに嫁いだ私に手伝える事はない。