この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
よく見るとアーベルはもうおねむなのか、うとうとし始めていた。ローデリヒ様が抱き上げる。彼が軽く背中を撫でていると胸の中に収まって、そのまま数分後にはコテンと夢の中に旅立っていった。
「あっさり寝ちゃいましたね」
「……もういい時間だからな。遊び疲れもしかしてあるだろう」
苦笑しつつ、ローデリヒ様は私の隣に腰掛ける。膝の上にアーベルを乗せて、片腕で支える。その間、アーベルは警戒心なく、ぐっすりと寝入っていた。
私は手を伸ばして、アーベルの頭を撫でる。赤ちゃんの髪の毛って、すごく柔らかくて気持ちいい。寝顔がとっても穏やかで、顔を寄せて覗き込んだ。
「ローデリヒ様に抱っこされて、安心しきっちゃってますね。アーベル、ローデリヒ様の事大好きですし」
「そうか?アリサの方が懐かれているだろう?母親には負ける」
「そうですか?うーん、実感があまりわかないなあ……」
ふっとアーベルから目を離すと、思った以上に至近距離にいたローデリヒ様の海色の瞳とバッチリ目が合った。なんとなく、お互いに逸らせずに数秒間見つめあった。沈黙が流れる。
それを破ったのは、ローデリヒ様だった。
「あっさり寝ちゃいましたね」
「……もういい時間だからな。遊び疲れもしかしてあるだろう」
苦笑しつつ、ローデリヒ様は私の隣に腰掛ける。膝の上にアーベルを乗せて、片腕で支える。その間、アーベルは警戒心なく、ぐっすりと寝入っていた。
私は手を伸ばして、アーベルの頭を撫でる。赤ちゃんの髪の毛って、すごく柔らかくて気持ちいい。寝顔がとっても穏やかで、顔を寄せて覗き込んだ。
「ローデリヒ様に抱っこされて、安心しきっちゃってますね。アーベル、ローデリヒ様の事大好きですし」
「そうか?アリサの方が懐かれているだろう?母親には負ける」
「そうですか?うーん、実感があまりわかないなあ……」
ふっとアーベルから目を離すと、思った以上に至近距離にいたローデリヒ様の海色の瞳とバッチリ目が合った。なんとなく、お互いに逸らせずに数秒間見つめあった。沈黙が流れる。
それを破ったのは、ローデリヒ様だった。