この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
「昔はのう、ワシもお前みたいにイケメンな頃があっての。それはそれはモテモテだったわい。いや、すまんかったな。今もモテモテじゃ」
「下らない話ならばジギスムントにして下さい」
「殿下。この老いぼれに馬鹿の面倒を任せると仰るのですかな?」
呆れ返った声で踵を返そうとすると、どこかに隠れていたらしいジギスムントは心底嫌そうな顔をしながら現れる。国王に向けて失礼にも程があったが、ここで気にする者は誰一人としていなかった。
「下らなくないわい!ワシの若い頃の話じゃ!」
「冗談は体重だけにしてください父上」
「最近更に無駄な肉がついたんじゃないんですか?」
ローデリヒとジギスムントの冷ややかな視線に、国王は「う……」とたじろぐ。最近体重の増加に心当たりがありすぎたので、不自然なまでに話を逸らした。
「そ、そういえば!ローデリヒ、アリサに花のひとつでもやらぬか?!お前は少し朴念仁のような所がある。女は花が好きじゃぞ?ワシの若い頃はそれはもう、薔薇の花を送りまくったわい」
「そうですか」
「あれ?!スルー?!」
「下らない話ならばジギスムントにして下さい」
「殿下。この老いぼれに馬鹿の面倒を任せると仰るのですかな?」
呆れ返った声で踵を返そうとすると、どこかに隠れていたらしいジギスムントは心底嫌そうな顔をしながら現れる。国王に向けて失礼にも程があったが、ここで気にする者は誰一人としていなかった。
「下らなくないわい!ワシの若い頃の話じゃ!」
「冗談は体重だけにしてください父上」
「最近更に無駄な肉がついたんじゃないんですか?」
ローデリヒとジギスムントの冷ややかな視線に、国王は「う……」とたじろぐ。最近体重の増加に心当たりがありすぎたので、不自然なまでに話を逸らした。
「そ、そういえば!ローデリヒ、アリサに花のひとつでもやらぬか?!お前は少し朴念仁のような所がある。女は花が好きじゃぞ?ワシの若い頃はそれはもう、薔薇の花を送りまくったわい」
「そうですか」
「あれ?!スルー?!」