この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
「婚外子を作るつもりはありませんでしたので」
「……うん。そうか。うん……。あんまりにも堂々としてるのじゃが、女性経験無いことって堂々と言うことなのかの……」
なんとも言えない表情で首を捻った国王に、ローデリヒはキッパリと宣言をした。
「側室も作るつもりはありません。アーベルが生まれたばかりですし。もし後継者に関して何かあれば、王族の中から養子を取るつもりでいます」
国王もジギスムントもその言葉に固まる。空気だったイーヴォですら、驚きで声が出そうになったくらいだ。
一番早く我を取り戻したのは、国王だった。軽快な雰囲気はどこにもない。真剣な声でローデリヒに問いかける。
「それは……ワシのせいか?」
「いいえ?私に甲斐性がないだけです」
ゆっくりと首を横に振り、ローデリヒはこの話は終わりとばかりに踵を返した。数歩歩いたところで、そういえばと振り返る。
「またいつか聞かせてください。父上のいい話」
「いつでもウェルカムじゃ」
胸を張った国王に、ローデリヒは口元を綻ばせた。そのままイーヴォを連れたローデリヒの姿が見えなくなると、国王は肩を竦めて苦笑する。
「……うん。そうか。うん……。あんまりにも堂々としてるのじゃが、女性経験無いことって堂々と言うことなのかの……」
なんとも言えない表情で首を捻った国王に、ローデリヒはキッパリと宣言をした。
「側室も作るつもりはありません。アーベルが生まれたばかりですし。もし後継者に関して何かあれば、王族の中から養子を取るつもりでいます」
国王もジギスムントもその言葉に固まる。空気だったイーヴォですら、驚きで声が出そうになったくらいだ。
一番早く我を取り戻したのは、国王だった。軽快な雰囲気はどこにもない。真剣な声でローデリヒに問いかける。
「それは……ワシのせいか?」
「いいえ?私に甲斐性がないだけです」
ゆっくりと首を横に振り、ローデリヒはこの話は終わりとばかりに踵を返した。数歩歩いたところで、そういえばと振り返る。
「またいつか聞かせてください。父上のいい話」
「いつでもウェルカムじゃ」
胸を張った国王に、ローデリヒは口元を綻ばせた。そのままイーヴォを連れたローデリヒの姿が見えなくなると、国王は肩を竦めて苦笑する。