この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
 私が手を頬にあてると美少女も同じポーズをとる。まずこの浴室には私しか居ないわけで、自ずとそれが自分の姿だと馬鹿でも分かった。

 自分の驚きの声がエコーしたけど、日本人の平均的な顔立ちの私が西洋人のようになっていたショックで気にする余裕なんてなかった。


「な、何かあったのか……?!」


 私の声を聞きつけたらしいローデリヒさんが勢いよく浴室の扉を開ける。ガン、だのガシャンだの、浴室の扉が派手な音を立てたけど、それに気にすることなく私の目の前に立つ。


「どうかしたのか?身体に変調でもあったのか?」


 そして気付いた。

 私、今ーー裸だ。


「いっ、いやあああああああっ!!!!」


 お風呂場で派手な打擲音と、私の叫び声が響き渡った。


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