この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
まだ十八歳なのに、十六歳の実の息子と話しているというこの状況、本当に頭が未だに追いつかない。
そして、何故かアーベルと共に国王様までもが付いてきた。
……あれ?国王って職、忙しいはずじゃ……?
侍女が用意してくれたお茶と沢山のお菓子がテーブルに並べられる。王城の沢山あるうちの庭園の一つ、こじんまりとした雰囲気の庭で、三人揃ってテーブルについた。即興お茶会みたいなものである。
甘ったるいマカロンを幾つも吸い上げていく国王様にドン引きしつつ、私もいちごのタルトを食べる手が止まらない。悪阻が終わってくれて本当に良かった。今では食べられるようになって、むしろ食べすぎてしまうくらいだ。
国王様がマカロンを頬張りつつ、行儀悪くアーベルに問いかけた。
「アーベルう、十六歳といえば、そろそろ気になる異性の一人や二人くらいできた頃じゃろ?どうなんじゃ?」
「えっ……?!」
いきなりの恋愛系の質問に、アーベルは白い肌をほんのり赤くする。そんな初々しい反応に、「女子会なんじゃから照れるな照れるな」と国王様はニヤニヤとした笑みを浮かべた。
いや、女子は私しかいないんだけど。
「ローデリヒも、今のアーベル位の歳にアリサと結婚したいと言ってきたんじゃ。別にこれくらいの歳ならばおかしい話でもないじゃろう」
「それは……そう、ですけど。もうやめてください」
言葉を濁すように俯いたアーベルを上手く追い込もうと、国王様は私に話を振る。
「アリサも気になるじゃろ?恋の話は女子の大好物じゃからのう。なんならアリサが話しても良いのじゃぞ?」
「……恋バナ」
そして、何故かアーベルと共に国王様までもが付いてきた。
……あれ?国王って職、忙しいはずじゃ……?
侍女が用意してくれたお茶と沢山のお菓子がテーブルに並べられる。王城の沢山あるうちの庭園の一つ、こじんまりとした雰囲気の庭で、三人揃ってテーブルについた。即興お茶会みたいなものである。
甘ったるいマカロンを幾つも吸い上げていく国王様にドン引きしつつ、私もいちごのタルトを食べる手が止まらない。悪阻が終わってくれて本当に良かった。今では食べられるようになって、むしろ食べすぎてしまうくらいだ。
国王様がマカロンを頬張りつつ、行儀悪くアーベルに問いかけた。
「アーベルう、十六歳といえば、そろそろ気になる異性の一人や二人くらいできた頃じゃろ?どうなんじゃ?」
「えっ……?!」
いきなりの恋愛系の質問に、アーベルは白い肌をほんのり赤くする。そんな初々しい反応に、「女子会なんじゃから照れるな照れるな」と国王様はニヤニヤとした笑みを浮かべた。
いや、女子は私しかいないんだけど。
「ローデリヒも、今のアーベル位の歳にアリサと結婚したいと言ってきたんじゃ。別にこれくらいの歳ならばおかしい話でもないじゃろう」
「それは……そう、ですけど。もうやめてください」
言葉を濁すように俯いたアーベルを上手く追い込もうと、国王様は私に話を振る。
「アリサも気になるじゃろ?恋の話は女子の大好物じゃからのう。なんならアリサが話しても良いのじゃぞ?」
「……恋バナ」