この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
「そうなんですか?」
「え?だって側室は要らんと頑固に言っておったからのう。アリサとアーベルで手一杯とも言っておった」
……私とアーベルで手一杯って……、なんだか凄く手のかかる嫁みたいな……、その通りなんだけど。
その通りなんだけど、ローデリヒ様の激務を考えたら、完全に側室とか言ってられない位だとは思う。
そして、私も忙しいローデリヒ様の負担にならないようになりたい。
というか……、国王様はサボってるから側室入れる暇があるんじゃ……?
アーベルの問いに引っ掛かりを感じた顔をした国王様だったが、アーベルは難しい表情になる。
「そうだったんだ……」
「え?!ちょ、何じゃその意味深な発言?!?!」
ローデリヒ様よりもやや濃い青色の瞳をギョッと見開き、マカロンから手を離してアーベルに詰め寄った。そんな国王様の反応に、アーベルはびっくりして肩を跳ねさせる。
「……え?えっ?!」
「ローデリヒが側室を取るのか?!」
「祖父じい様、あまり未来の事は僕の口からは言えません」
キッパリと言い切ったアーベルに、国王様は「……そうか」とアッサリ引いた。珍しい。
そして、チラリと私を見て小声で言った。
「え?だって側室は要らんと頑固に言っておったからのう。アリサとアーベルで手一杯とも言っておった」
……私とアーベルで手一杯って……、なんだか凄く手のかかる嫁みたいな……、その通りなんだけど。
その通りなんだけど、ローデリヒ様の激務を考えたら、完全に側室とか言ってられない位だとは思う。
そして、私も忙しいローデリヒ様の負担にならないようになりたい。
というか……、国王様はサボってるから側室入れる暇があるんじゃ……?
アーベルの問いに引っ掛かりを感じた顔をした国王様だったが、アーベルは難しい表情になる。
「そうだったんだ……」
「え?!ちょ、何じゃその意味深な発言?!?!」
ローデリヒ様よりもやや濃い青色の瞳をギョッと見開き、マカロンから手を離してアーベルに詰め寄った。そんな国王様の反応に、アーベルはびっくりして肩を跳ねさせる。
「……え?えっ?!」
「ローデリヒが側室を取るのか?!」
「祖父じい様、あまり未来の事は僕の口からは言えません」
キッパリと言い切ったアーベルに、国王様は「……そうか」とアッサリ引いた。珍しい。
そして、チラリと私を見て小声で言った。