この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
「……暗い所が苦手なんじゃなかったのか?」

「……え?」


 何その話。初耳なんだけど。

 ローデリヒさんは本当に不思議そうにしながらも、身を起こして照明を消してくれた。

 室内が一気に暗くなる。
 ちょっと目が慣れてくると、外は意外と月明かりがあるのか分厚いカーテンの隙間から僅かながらに光が入ってきた。

 暗いところが苦手だったのか……。
 物置とか、押し入れとか、小さい頃狭くて暗いところによくかくれんぼで隠れてた。今でも地味に好きだったりする。

 私は暗い所が苦手なんて事はない。

 もしかして、お化けが苦手とかああいう……?

 いかにも西洋のお屋敷って感じの、レトロでシックな内装だから普通に居そうだもんね。私ホラー系苦手なんだよね〜。

 だから、スタンドライト付けてたのかな?

 それなら納得の理由なんだけど。意外と私と共通点あるじゃん。

 ーーなんて思ってたら、なんかすごい目が覚めてきた。
< 41 / 654 >

この作品をシェア

pagetop