この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
ローデリヒが声を出すのと、使い魔がアリサのティーカップ目掛けて飛び込むのはほぼ同時だった。焦りで思わず声に出してしまったが、幸いにも周囲にはイーヴォしかいない。
アリサが集まりのようなものから上手く抜け、後宮の廊下を侍女と共に歩いているのを確認しつつ、国王の執務室の前へと来る。やっとその後ろ姿を使い魔越しではなく、目視できて立ち止まった。
「ローちゃんさっきはありがと〜!!ちなみにさ?この事はローデリヒ様に内緒にしてくれないかな?!」
使い魔を抱き上げ、呑気な声を出している己の妻に頭が痛くなりながら、ローデリヒは腕を組んだ。
「何を内緒にするんだ?」
「ひぃっ?!」
声を掛けると、アリサはまるで幽霊でも見たかのような恐怖の表情でおそるおそる振り向いた。
アリサが集まりのようなものから上手く抜け、後宮の廊下を侍女と共に歩いているのを確認しつつ、国王の執務室の前へと来る。やっとその後ろ姿を使い魔越しではなく、目視できて立ち止まった。
「ローちゃんさっきはありがと〜!!ちなみにさ?この事はローデリヒ様に内緒にしてくれないかな?!」
使い魔を抱き上げ、呑気な声を出している己の妻に頭が痛くなりながら、ローデリヒは腕を組んだ。
「何を内緒にするんだ?」
「ひぃっ?!」
声を掛けると、アリサはまるで幽霊でも見たかのような恐怖の表情でおそるおそる振り向いた。