この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
丸薬作成。(他)
「体を悪くしたかもしれない」
王城の広い医務室で、ローデリヒは深刻な顔つきで申告した。ちなみに宮廷医長は別にいる。慣れ親しんだジギスムントにわざわざ診てもらっているだけで。
いつも国王以外には穏やかな表情を浮かべているジギスムントも、険しい表情になった。
「最近寝不足だと仰ってましたからな。やはり睡眠はきちんとなければなりませぬぞ」
「……分かっている」
「いくら若いとはいえ、無理したら早死しますぞ」
ローデリヒに小言を言いながら、ジギスムントは「そしてどこが悪いんですかな?」と問い掛けた。
「胸だ。……おそらく、心臓が悪いのだと思う」
「とりあえず調べてみましょう」
聴診器を胸に当てたジギスムントは難しい顔をする。音の異常は特にはない。
「どの様な状況でなりましたか?」
「……昨夜、アリサに抱き着かれたのだ。その時に軽い心臓発作を起こしたようで」
「………………はい?」
王城の広い医務室で、ローデリヒは深刻な顔つきで申告した。ちなみに宮廷医長は別にいる。慣れ親しんだジギスムントにわざわざ診てもらっているだけで。
いつも国王以外には穏やかな表情を浮かべているジギスムントも、険しい表情になった。
「最近寝不足だと仰ってましたからな。やはり睡眠はきちんとなければなりませぬぞ」
「……分かっている」
「いくら若いとはいえ、無理したら早死しますぞ」
ローデリヒに小言を言いながら、ジギスムントは「そしてどこが悪いんですかな?」と問い掛けた。
「胸だ。……おそらく、心臓が悪いのだと思う」
「とりあえず調べてみましょう」
聴診器を胸に当てたジギスムントは難しい顔をする。音の異常は特にはない。
「どの様な状況でなりましたか?」
「……昨夜、アリサに抱き着かれたのだ。その時に軽い心臓発作を起こしたようで」
「………………はい?」