この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
「大丈夫だ。薬学には興味があって、調剤の資格は持っている。簡単なものなら作れる」と勝手に医務室の薬棚を漁り始めるローデリヒ。何も大丈夫な要素などない。心臓発作と自己診断を下した彼に、ジギスムントは遠い目になった。
「ちょっとはその薬学への興味、心理学へと向けてください」
だが、ローデリヒは一国の王太子。もし本当に心臓発作を起こしていてはいけない。
やはり、一度精密検査を……とジギスムントが提案したが、ローデリヒはバッサリ断っていた。
「というか、勝手に薬作るのはいけませんぞ!」
おかしな事があったらすぐに報告しろと、口酸っぱくジギスムントに言われ、戻ってきた執務室。
ローデリヒはゴリゴリと乳鉢でコネ回している。
イーヴォは呆れた眼差しで、ローデリヒの手元を示した。
「ジギスムント様に怒られたのに作るんですか?」
「効き目はとても弱いものだ。流石にジギスムントに止められて、一般的に処方されている薬を作る訳がないだろう?」
「いや、普通は作らないですよ!」
「ちょっとはその薬学への興味、心理学へと向けてください」
だが、ローデリヒは一国の王太子。もし本当に心臓発作を起こしていてはいけない。
やはり、一度精密検査を……とジギスムントが提案したが、ローデリヒはバッサリ断っていた。
「というか、勝手に薬作るのはいけませんぞ!」
おかしな事があったらすぐに報告しろと、口酸っぱくジギスムントに言われ、戻ってきた執務室。
ローデリヒはゴリゴリと乳鉢でコネ回している。
イーヴォは呆れた眼差しで、ローデリヒの手元を示した。
「ジギスムント様に怒られたのに作るんですか?」
「効き目はとても弱いものだ。流石にジギスムントに止められて、一般的に処方されている薬を作る訳がないだろう?」
「いや、普通は作らないですよ!」